今から30年ちょっと前、わたしは旅をしました。その旅で一軒のレストランに出逢いました。
そのレストランには、週末になると、小さな街のたくさんのひとが、自分に今出来るオシャレをして集まり、夜遅くまで歌い、笑い、語っていました。
そして月曜日には、自分のお仕事に戻って行く・・・・。
その様子を見て、空間にはひとを晴れやかにし、次の何かに向かうこころを生み出せるちからがあるんだと思いました。
そして、空間をつくれるひとになりたいと思い、素晴らしい恩師に出逢い、育てて頂き、今、ここに立たせて頂いています。
わたしはお仕事させて頂いたご物件を『作品』と思ったことは一度もなく、お客様とともに一緒に造り上げる『お仕事』とわたしは思っています。
大切にしていることは、『空気感』と『温度』です。よくお話をするのですが、空間が36.5℃になるように色んな角度から調整をして行きます。
例えばお店のデザインであれば、オーナーさんの人柄、立地、ご提供なさるお料理、イメージなさっているお客様・・・・
そのすべてを想像し、空間全体が平熱と言われる36.5℃になれるように、デザインを組み立てていきます。
ご住宅でも同じです。そこにお住まいになる家族のみなさまのことを沢山教えて頂き、一緒に温度をおつくりして行きます。
この温度が低過ぎても熱過ぎても、ひとは集わないからと思うからです。
なので、この温度をつくるために、オーナーさんととっても沢山お話をします。わたしたちのお仕事は『先生』と呼ばれるお仕事なので、
しっかり安心をして頂けるように、出来るだけオーナーさんにこころを近づけて頂きたく、自分のことも沢山お話をします。
わたしのお仕事は、オーナーさんが描く時間つくりのお手伝いをすることです。
そこに集って下さるひとたちに晴れやかな時間をお届け出来るように、日々知識を磨きながら一人の女性としての人生もしっかり楽しんでおります。








