2015.06.24 Category 21 coffee 5 新築工事 story
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ある日のこと。
『HPを見て連絡させていただきました。大分県佐伯市の田んぼの中で、
ネルドリップ珈琲のカフェを開きたいと考えておりまして、
建築士のかたを探しているところです。
ちょうどいい温度のお話、お時間がありましたら、一度お会いしたいです。』という、
文章の最後に、↑↑ ↑↑ ↑↑ ↑↑ ↑↑ ↑↑ ↑↑ ↑↑ の写真がくっついたメールを頂きました。
『こんな田んぼの真ん中に喫茶店を!!!』とワクワクワクワクして、
早速、ご返信をさせて頂いて、そしてすぐに福岡でお逢いして、
それから数日後、綺麗夕陽が輝く東京ヒカリエの最上階に居たときに、
正式なご依頼のご連絡を頂いて、『喫茶店 5』のプロジェクトが始まりました。
ちょうど新月でもあり、なんだかとても晴やかなスタートを切らせて頂いたなーと、
空を見上げた記憶があります。
その後、沢山の基本計画の時間を過ごし、GW明けに着工、
そして6月18日、雨ではございましたが、とっても晴やかに、上棟式を行うことが出来ました。
すっごく綺麗な紅白餅。
佐伯では、隅餅は12コ用意するらしく。理由は・・・棟梁に聞き逃しました。
トンカチもお供えものと一緒に置くのも佐伯流?かと思えば、
昔は、トンカチと左官さんのコテを一緒に置いてたそう。
建物の基礎をつくるコテと柱や梁をつくるトンカチ、この2つが大きな決め手となることから。
祝詞を棟梁があげるのは、始めて。
みんなが絶対的に信頼をしている棟梁、岩田さん。通称、みっちゃん。腕良し、人柄良し、
みっちゃんが居るから安心して現場をお任せ出来ます。
深夜2:00amには、上棟が終わった建物にもう一度行くのも始めての経験。
良くないものが住みつかないようにするためらしく、四隅と真ん中にお酒を撒くそう。
早寝をする場合は、ハンガーにお洋服をかけて、人が居る様に見せかけるらしい。
ところ変われば、色んなことが。日本のこういう各地の伝統って楽しい。
建物は、なんと900坪の敷地の中に、25坪の木造1階建て。
建物の位置を決めるのに、オーナーさんとオーナーさんのお父さんにも手伝って頂きながら、
みんなでこうかな、あーかな、と考えて決めたのに図面に落とし込むと、何かしっくり来ない。
そこで、代案として、いつもの直感で、広い敷地にポンと、建物を置いてみた。
そしたら、すんごくしっくり来て、オーナーさんも同意見、そして決定をしました。
後でデーター化したら、ほぼ真北に向いてという。真北まで、あと、0.03°。
お母さんが真北玄関はお商売には・・・というお話をお聞きしてて、
お気になさってたから、0.03°ズレのまま、決定。
今回の建物のテーマは、『景色』。
田んぼのど真ん中、どの田んぼも、元気な稲穂が活き活きとしていて、
近くには大きな山もあり、鹿もいのししもご登場。
その中に、オーナーが大好きな、大きな銀杏の木があります。
なんとも、こころが和やかになる、この景色を空間にどう組み込んで行くか。
音楽が大好きなオーナーとご両親。偶然にも、みんな、わたしも大好きなbaobabさんファン。
お店のOPENに、お外でbaobabさんに演奏をしてもらおう!と、
baobabさんが一番フォトジェニックに写るようにと、建物裏側に大きな広場をつくります。
バックは、あの銀杏の木。
最初は、建物表に、広場をつくる予定でしたが、そうすると、近隣のお家が写り込み、
baobabさんらしくない!と、まさに、baobab仕様と言っても良いほど。笑
珈琲豆は自家焙煎です。その方法を聞くと気が遠くなりそうな工程。
オーナーは31歳、男性。
101歳の現役のマスターがいらっしゃる、東京 銀座の老舗喫茶店ランブルさんご出身で、
佐伯で40年近く同じ名前の喫茶店ランブルを営むマスターのところに、
珈琲好きなお父さんに、くっついて、小さな頃から通っていらっしゃって、
マスターの手元をワクワクしながら何年も何年も続けてたら、覚えてしまった、という。
本当に美味しいのです、オーナー内田さんの珈琲。珈琲が飲めないひとも飲めてしまったほど。
整理整頓も素晴らしく、焙煎室は、素敵なセンス。
このセンスは、ご両親譲りかと。
毎回、打ち合わせに伺ったときに、お母さんがお昼ご飯をご用意下さるのだけど、
いつも季節感があり、素晴らしく美味しく、頂いていると幸せになるセッティングなのです。
お父さんもセンス抜群。しかも、大抵のものは、『これはこんななってるんだな。』と、
ちゃかちゃか造っちゃう。今回、上棟式の後、泊めて頂いた蔵の扉ひとつ、照明ひとつ、
素人さんとは思えないほどです。
佐伯 喫茶店 5 新築工事、お父さんやお母さんの積み重ねれて来られたご縁を沢山繋いで頂いて、
佐伯のみなさんに沢山支えて頂きながら、
内田家には、娘?親戚のお姉ちゃん?のように、接して頂いて、
そろそろ、打ち合わせに行ったら、『ただいま』と、言いそうなくらい、
のびのびとお仕事をさせて頂いています。OPENは9月の予定です。梅雨の長さに寄りまーーす。
また、進行状況をこちらでお知らせさせて頂きます。